雛月を匿っていたのは隣の小学校にうち捨てられていたバスの中だった。
誰にも見つからない隠れ家のはずだったが、深夜に何者かが現われ、身を潜めていた雛月には気付かずそのまま立ち去るという一幕があった。翌日、バスの中にはバックパックが遺されていた。その中身を見て悟は戦慄する。それは真犯人の遺留品だった。悟たちは未だ事件のループの中にいた……。
遺留品の中に混じっていたゴム長靴。悟は2006年で澤田から教えられた真犯人の犯行手口を思い出す。物置から雛月を連れ去る際、真犯人が履いていたのがゴム長靴だった。その足あとは白鳥家のゴム長靴と一致しており、ユウキさんの逮捕にいたる有力な証拠となったのだ。
犯人が残した遺留品のひとつ、霧吹き。澤田の話では、雛月は業務用冷凍庫に入れられ、霧吹きを使用して急速に凍死させられたのだという……。
遺留品の中には練炭もあった。練炭は、不完全燃焼させると一酸化炭素が発生。これを吸い続けると人間は死に至る。自殺にもよく使用されることから、真犯人は誰かを自殺に見せかけて殺したことがあるのかもしれない。